年の瀬になったので今年導入した機材についての感想を。
普段使用するベースはシチュエーションに合わせて選んでいるがレッスンの時に持っていくベースについて今まで試行錯誤していた。移動がほぼ公共の交通機関で楽器を持って歩く時間も長く重い機材だと体への負担がとても大きいのでどんどん軽いベース本体とケースに近年シフトしていった。
近年は先輩から譲っていただいたErlicの4弦が僕が所有しているベースの中で最も軽るく持ち歩いていてとても快適だった(多分3.7kgぐらい)。このベースでも十分軽いと思っていたが更に軽かったらどうだろうという興味がどんどん湧いてきたので軽さを最重視して好きなベースメーカーとスペックでずっと探していた中見つかったのがこのAdamovic Saturn4だった。

記載されていた重量は3.2kg。所有している機材で最も重いKen Smith(およそ4.9kg)と比べると羽の様に軽い。Elricと比較しても明らかに軽く感じる。
今回購入する際に絞っていたいたのは基本的に軽さをメーカーの方針としていそうなSerekとAdamovic。今回は主にレッスンで使う目的なのでジャズベース(そして4弦)に近い仕様が欲しくてSerekでは32inchでシングルピックアップ2つ搭載のもの、Adamoviだと色々あるシリーズの中でジャズベースに近いSaturnもしくはSoulの中で探していた。
流通しているSerekは30.5inchがほとんどで更に32inchでシングルピックアップ2つ搭載のものは見つけられなかった。一方Adamovicは流通しているSaturn、Soulはほとんど5弦。その中で唯一4弦で軽い、更にAlderボディー、Pau Ferro指板とまさに欲しい仕様ど真ん中だったのが今回のSatrurn4だった。

8ヶ月ぐらい使用してみての感想はフレンドリーで上質。フレンドリーさというのはネックの握りや、体への当たり方がとにかく優しい。MTDにも同様の優しさを感じる。そういう意味でKen Smithは若干距離を感じる。
上質さはハイエンドベースと呼ばれるものには基本的に感じるものだと思うが例えるとFoderaなどは高級フランス料理店、一方Adamovicは夫婦だけで経営しているカジュアルなこじんまりとしたお店だが料理、内装それぞれに気が行き届いていて落ち着く何度も行きたくなる様なお店という様な感じがする。
その分類でいくとKen Smithもあらたまって行く高級料理店に入ると思う。
音は見た目通りの上品で優しい音。ソリッドボディなのにアコースティック感がものすごくある。レッスン中に弾いていたらベースを始めて1年ぐらいの生徒さんから「なんかそのベース木の音がしますね」と言われて驚いた。
デザインも個人的にとてもしっくりくる。人間工学的な部分と芸術的な部分の2つのデザインのバランスが素晴らしい。
パーツの部分ではブリッジも弦の交換がしやすい一番好きな仕様のものになっているのもポイントが高い。

このベースについてAdamovicのFacebookのアーカイブに残ってないか調べていたところ記事を発見。現在はアクティブ仕様になっているがもともとはパッシブでAdamovicでは珍しいと思われるFenderのオーソドックスな4弦ジャズベースに近い仕様だったようだ。
今は電池を抜いて完全にパッシブで使用しているので今ついているEQノブ2つを抜き取って見た目も普通のパッシブジャズベースにしてみたい。
今一押しのベースブランドAdamovic。ハイエンドが好きな生徒さんには真っ先にお勧めしている。今でも十分評価を得ていると思うが個人的にはFodera、Ken Smith、MTDと並んで評価されるブランドに今後なっていくのではないだろうかと思う。